人生を狂わされた出会いの話
降参、もう降参だ。
それが、3月27日のJr.祭り合同公演オーラスを観終えた帰り道に頭の中に浮かんだ言葉だった。
3月25日のSnow Man初の横アリ単独公演の帰り道にも同じことを思った。
いや、違う、まだ耐えられる。去年の夏からずっと、自分の中でこのやり取りを繰り返している。
……という文章を書いたのが2018年3月末。
本当は、担降りってどうやったら出来るのか分からない!という内容の葛藤ブログを書いていたのだけれど、4月から新社会人になって日常生活が大きく変化した疲労からなかなか書き進めずに3ヶ月が経ってしまった。早い。
その間にまぁ色々と、本当に色々あって、個人としては佐久間担だけになったので、その経緯について自分用の記録も兼ねてまとめたいと思う。
Snow Manを意識したのは2016年の滝沢歌舞伎。
たぶん大勢いるであろう、V6三宅健くんキッカケである。
元々ジャニヲタになったキッカケであり担当は関ジャニ∞で、そこを拠点にあれよあれよという間にデビュー組の半数以上のグループに推しが出来た。
健くんもその中の1 人で「V6なら健くん」というあまりに浅いものだったけれど、彼のことを知れば知るほど好きになった。
そんな健くんが、名前だけは聞いたことのある『滝沢歌舞伎』に出演すると聞いて、行きたい!!と思い申し込んだものの落選。でもあくまで”推し”だったので本気でチケットを探すこともせず、毎日流れてくるレポを流し見する日々だった。
滝沢歌舞伎が始まった4月中旬頃からレポで度々”健くんに物凄いアプローチをする子”の情報が目に入るようになり、その子が 佐久間大介 という名前だと知った。気になって検索して、彼の顔とアニヲタで宮田くんと仲良しだという情報を得る。
でもこの時点ではまだ”健くんのことが大好きなJr.”というだけの認識で、健くんを推しとするオタクとして佐久間くん頑張れ~などと気楽に応援していたりした。
ちなみに、あくまで個人的な”自担”と”推し”の違いは、簡単に言うと前者が「人生を狂わされる人」で後者が「幸せだけをくれる人」である。好きが故に無性に泣きたくなったり嬉しくなったり感情を激しく揺さぶられるのが自担なら、好きでいて笑顔になって満たされる安定した気持ちをくれるのが推し。
ジャニヲタになって数年、友人の影響で半ば必然的に好きになって(良い意味で)人生を狂わされた当時の自担から偶然見つけた誰かに引きずり降ろされるように”担降りする”ことにどこかで惹かれるものがあって、当時の自担があまりにも好きで揺るぎなかったからこそそんな人が現れてみてほしいと色んなグループに手を出した。
人生狂わされたくてあんなにたくさんのグループを見てはその度に”推し”を増やし続けていたのに、本当に出会ってしまったときはあっという間に転げ落ちる感覚だった。
滝沢歌舞伎のレポで健くんとの関係性を面白がって以来、その後も流れてくるようになった様々なSnow Manの現場レポで佐久間くんと健くんの絡みがある度に佐久間くんよかったね~などと言っていたけれど、転機を迎えたのは2016年6月8日。少クラでふみきゅんこと河合郁人さんが中島健人さんのソロ曲『CANDY』を、Snow Manをバックにつけてカバーしたのである。
A.B.C-Zではふみきゅんが推しで、可愛い~なんて言いながら見ていたとき、ふと視界に入った金髪の青年があまりにも異様な動きをしていることに気が付いた。本当に異様としか言いようのない動きで、可愛い世界観の中で 1 人だけ生き急いでいるとでも言うのだろうか、とにかく動きが速くてキレが凄い。(最後のウインドミルの辺り)
「なんだこの人……」と若干引きつつ名前のテロップを確認したら、その人こそがまさにあの健くんへの熱烈アタックを何とはなしに応援していた 佐久間大介 さんなのであった。
元々A.B.C-ZもジャニーズWESTもSexy Zoneも好きで毎週録画して見ては消していた少クラ。Snow Manのパフォーマンスも勿論見たことがあって、でもグループ名は特に記憶せずに「これでJr.ってすごいな……」と驚いた覚えはある。
後から見ると過去のパフォーマンスもどれも最高なのに、何故か『CANDY』で見た佐久間くんの動きが忘れられず「このアニヲタすごい……」と呟いていた。
そこからは少クラでSnow Manが出る度に金髪でよく動く青年のことを無意識に目で追ってしまう自分がいて、7月頃にはもう”気になる存在”で、8月にはSnow Manのパフォーマンスに心奪われていた。
見れば見るほど佐久間くんのダンスや魅せ方があまりにも好きで、毎日Snow Manの過去の映像を漁っていた。
今振り返るとこの8月に怒涛の勢いで佐久間くんにハマっていて、「佐久間くんJr.の推しになるかも」と言った1週間後には「Jr.の担当かもしれない」と言っている。
ここでわざわざ「Jr. の」という言葉をつけているのは、ジャニーズJr.という存在を絶対に好きになりたくないと思っていたからだ。いついなくなるかも分からず、将来の保証もない。今となってはそんな人ばかりではないと分かっているけれど、当時は何よりその対象との距離感の近さからJr.担という存在に良い印象がなく、とにかく怖かった。だから”Jr.担”になりたくなくて、「Jr. の」という言葉をつけることで「まだ本当の推し/担当ではない」という保険をかけていた。
でも、そうやって敢えて距離を置こうとしても間に合わないほど毎日佐久間くんに惹かれる気持ちが強くなって、本能的に『あ、今回は今までの”推し”とは違うぞ?』と感じていた。
毎日暇さえあれば彼のダンスを見ていたし、外出中も彼のパフォーマンスが見たくてずっと心臓の辺りにむず痒さを感じていた。顔とか性格とかそういったものよりも、パフォーマンスを好きになることがこんなにもたまらない気持ちにさせられるのだと初めて知った。
同時に、彼の舞台上のパフォーマンスだけでなくブログで綴られる言葉にも惹きつけられた。元々自分も中高時代は典型的二次ヲタだったから佐久間くんのブログはあまりにも読みやすく、それに加えて各方面に気遣いと感謝を忘れない文面からこの人はいい人なんだろうなと感じた。何より、ブログは(特にJr.にとって)どれだけ自分を売り込めるかの場だと思っている身としては、あの自分の言いたいことを全部詰め込んでいるかのような長文が好きでしかなかった。
世界で一番ダンスが好きだと思った人がアイドルとしての言動も好みだったなんてそんな幸せがあるだろうか。
8月下旬にはどうにかSnow Manがデビューしてくれないかと願うようになっていて、今までメインのデビュー組しか見てこなかったライブDVDを佐久間くん目当てで買っては全然映らないことに衝撃を受けた。
Jr.だから当たり前なのだろうけれど、画面が切り替わっては見失って何度も巻き戻しては映り込む佐久間くんの姿を探し直すという作業を延々と繰り返していくうちに、ただ佐久間くんのダンスが見たいだけなのになぁと泣き出しそうな気持ちになった。
至近距離で観るよりも映像化を望むオタクだから、画面の中で主役としてずっとカメラに追われながら踊る姿を見たいと切実に思って、そこから今でも夢は『Snow Manがデビューしてコンサートをして出したBlu-rayの特典につくマルチアングルで佐久間くんを見ること』である。
佐久間くんのことばかり言っているけれど、基本的にグループ全員を好きになるタイプなので勿論Snow Man全員のことが大好きだ。
毎日佐久間くんのことばかり見て考えて呟いて……という生活を送るうちに彼の現場に行きたくなって、必死で『少年たち 危機一髪!』のチケットを探した。
運良く譲ってもらうことが出来、初めて観に行けることになった日はもう 1 日中心臓がバクバクしていて、自分が出るわけでもないのに緊張で押し潰されそうだった。
2階席から初めて生で見た佐久間くんはびっくりするほど綺麗で可愛くて、双眼鏡を覗きながら頭の中はパニックだった。というよりSnow Man全員が映像で見るよりもずっとかっこよくて驚いた。
でも、佐久間くんをどれだけ好きになろうともやっぱり担降りには至らず、自担はいつだって特別だった。
2007年の関ジャニ∞コンサートツアー『47』のDVDで見る安田くんが今でも一番好きなアイドルなのだけれど、その頃の安田くんのダンスやカメラアピール、色白金髪etc.…憑依型表現者であるという点も含めてどことなく佐久間くんは似ている要素が多くて、正直しばらくは重ねて見ているところがあった。
正確に言うと、あの頃の安田くんがバンドではなくダンスの道を選んでいたら……というif世界のような目で佐久間くんを見るときがあった。
勿論今では全くの別個としてそれぞれを好きでいる。ただここで、自分はきっとアイドルのあらゆるパフォーマンスの中で”ダンス”が一番好きな人間だということに気付かされたのだった。
担降りは出来ない、でも佐久間くんを「自担」と呼びたい。
そんな気持ちが抑えられなくなり、色々と悩んだ末に担増しすることにした。元々推しはたくさんいたし、根が二次ヲタなので好きな人が何人もいるという状況に後ろめたさはなかった。
とうとうJr.を担当にしてしまったという気持ちもなくはなかったけれど、それよりも「この人は自担である」という気持ちで佐久間くんを見れることが何よりも嬉しかった。
そこからは本格的に掛け持ちとして楽しい日々を過ごしていたのが、「あれ?やばいな?」と感じ始めたのは2017年8月10日の『サマステ~君たちが~ KING'S TREASURE』Snow Man単独公演オーラス。
終わった瞬間「人生で一番楽しいコンサートだった」と思った。息が出来なかった。
終演後、酸欠で朦朧とする意識の中で「どうしよう」という言葉が頭の中をグルグルと回っていて、脳の片隅にちらついた「担降り」という文字を見て見ぬフリをすることに必死だった。
あんなに憧れていた”担降り”にもはや恐怖を抱くようになって迎えた2017年9月の日生劇場での『少年たち~Born TOMORROW~』。
佐久間くんを初めて生で見てから1年が経ったのだと思うと感慨深かったけれど、縁あって入ることの出来た初日は1年前と同じく心臓がバクバクして、幕が開いてから1幕が終わるまでずっと唇が震えていた。1年前のあれから何度も佐久間くんを生で見る機会はあったのに、まるで初めて見るかのような緊張と興奮で、我ながら可笑しくなった。
何より驚いたのは、何度観ても全く飽きずに楽しめたこと。
どんなに大好きな作品も間を置かずでは2~3回で純粋に100%は楽しめなくなってしまうタイプの人間だったのに、夏のキントレも秋の少年たちも何度観ても最高に楽しかった。
楽しかったことだけでなく、あまりの倍率の高さにクリエや湾岸には行くことが出来ず、人生で初めてコンサートを観れなくて泣くという経験もした。映像化がまだ完全ではないJr.の世界ではその悔しさもひとしおだった。
未だに佐久間くんの『蝶』を見ることが諦められないでいる。
ここでようやく冒頭の『Jr.祭り2018』に戻る。
私が好きになった頃にはSnow Manはもうかなり多忙なグループで、去年のサマパラには行けなかったから未だに彼らがデビュー組のバックについたコンサートを生で見たことがない。
だからSnow Manの出るコンサートは彼らがメインのものしか実際には見ていなくて、しかも横浜アリーナは他のデビュー組のコンサートでよく来ていたこともあってデビュー組を観に行くのと同じ、いつも通りの横浜アリーナでのジャニーズのコンサートだと半ば言い聞かせるように緊張を押し殺して思っていた。
でもいざ始まったら、序盤で歌いながら花道を駆けてくるSnow Manの姿に『あぁ、横浜アリーナでメインとして立つ単独公演だ……!』という実感で泣き出しそうで。
巨大モニターに映し出されるSnow Manの顔を見ていたら、慣れ親しんだ横アリが全く知らない場所のように感じられてくすぐったい気持ちにもなった。
ド新規でさえあんなにも感慨深かったのだから、昔から応援してきている方々はどれほどだったろうか。Snow Manは長年応援しているファンの方がたくさんいて、そうした方々の紡いでくれる言葉や記憶に触れる度に自分は本当に彼らのことを何も知らないのだと気付かされる。
もっと前から好きになりたかったと思う気持ちもあるけれど、どう考えても自分の人生でSnow Manを好きになるのはこれが最短ルートだったし、今がとんでもなく楽しいからそれでいいとも思う。
Snow Man初の横アリ単独公演は本当に楽しくて、あんなにロスに陥っていた去年のキントレ単独公演をさらに超えて、人生で一番楽しいコンサートだった。”人生で一番”をこんなにも早くまたSnow Manに塗り替えられてしまった。
そして何より、希望をもらった。
今までどんなに楽しいコンサートを観てもそれによって次の日から頑張ろう!と思ったことはなくて、いつも「楽しかった……現実に戻りたくない……」と思うばかりだった。
でも、このSnow Man初横アリ単独公演を観た帰り道、「あぁこれで4月から頑張れる」と思った。
大学を卒業して4月から新社会人になることに不安ばかりで憂鬱で、このまま3月で時が止まればいいのにとさえ思っていたのに、あのコンサートを観たら帰り道に自然と4月を迎えることに前向きになれて、なんだか頑張れる気がした。
こんな気持ちは初めてだった。
新社会人としての生活が始まって3ヶ月、想像以上に肉体的にも精神的にも疲弊する日々だけれど、毎日のようにSnow Manの供給があることで明日がくることが怖くない。
Snow Manに救われているなぁという気持ちが強まって、ふと”担降り”について考えた。
自分は”好き”を量産できるタイプで、掛け持ちで困ることは金銭面や時間以外では何一つない。そもそも佐久間くんを好きになる前にも自担は同じグループに2人いて、だからつまり私はジャニヲタになって”自担が1人”という経験をしたことがないのだった。
Jr.祭りでSnow Manへの想いが溢れてしまった後、友人に真剣に担降りしようか悩んでいることを相談したりもしたのだけれど「掛け持ちでいいじゃん、何がダメなの?」と言われて、そのときは一時保留することにした。
確かに何故こんなにも担降りしようと悩むのか自分でもワケが分からない。ただ「佐久間くんだけを自担と呼びたい」という気持ちが日に日に大きくなって戸惑っている。この気持ちは一体何だろう。
……と、悩んでいたのが今年の4月上旬頃。
その後、『滝沢歌舞伎2018』の4月14日夜公演で第1幕を観ながらふと「あ、担降りしようかな」と思った。
特に何か特別なものを見たとか気持ちが溢れてどうしようもなかったとかではなく、双眼鏡でいつものように佐久間くんを見ていたら本当にふっと舞い降りた気持ちだった。
もう2人の自担に対して何のマイナスな気持ちを抱いたわけでもなかったから、担降りしても今までと変わらず好きでいるし円盤も買って番組も見るんだろうな~なんて考えながらも、ついに「自分は佐久間担である」という事実になったことがくすぐったくてどこか現実味がなくて、フワフワしながら家に帰った。
まさか翌日、渋谷すばるさんが退所を発表するだなんて誰が思っただろうか。
いや、実際には前々から不穏な話は出ていて、でもあまりにも信憑性がなかったもので微塵も信じていなかった。
日曜日だからと昼過ぎまで惰眠を貪って、そろそろ起きるか~なんて呑気にTwitterを更新して時が止まった。
何が起きたかすぐには理解が出来なかった。
この辺の話は本筋から逸れるので割愛するけれど、結論としてもうめちゃくちゃに泣いた。
物心ついた頃から悔し泣きすることはあっても何かを見たり思ったりして泣くことが皆無に近い人間だったから、すばるくんの退所に涙が止まらないことに心底驚いた。
すばるくんは自担ではなかったけれど、先述の通りグループ全員を好きになるオタクなもので誰か1人でも欠けることがこんなにも悲しいことなのだと初めて知った。
何より、自分はこんなにも泣けるほど関ジャニ∞をまだ好きで好きでたまらないのだと知って、きっと担降りを考えたのも「関ジャニ∞は自分が少し離れたとしても絶対的にそこにい続けてくれる」と何の根拠もなく信じていたからなのだと気付いた。
そんなこんなで、結局関ジャニ∞には個人の担当を作らずグループを担当するというよく分からない結論に至り、あれだけ悩んだ末の決断を下した人生初の”担降り”はまさかのたった1日で阻止されてしまったのだった。
とはいえ、「自担は誰ですか?」と聞かれたら「Snow Manの佐久間大介さんです」と、個人名を挙げるのは1人になったので、何だかんだで個人の”自担”は1人という結末である。(“自軍”は2グループ)
佐久間くんのことを好きになったキッカケであり最重要項目は勿論ダンスを始めとするパフォーマンスで、他にも彼のアイドルとしての言動をたまらなく好きになったりもしたけれど、同じくらい彼の好きなところとして必ず挙げるのは「自己改革の末に今があるところ」だ。
ド新規なもので事実と異なることを述べるかもしれないが、ド新規なりに過去のことを色々と調べて、彼がジャニーズとして生き残っていくために今の積極的な明るさを手に入れるまで相当な自己改革を何度も繰り返してきたことが伝わってきた。
今でこそ「騒々しいまでに明るい天真爛漫キャラ」として紹介されることの多い人だけれど、本人も言う通り過去の映像を見ても元々は物凄い引っ込み思案で所謂コミュ障に近いタイプの人だったのだろうと感じられる。
自分も人見知りのあがり症で人付き合いが上手い方ではないから、今の彼を見ているとそこに至るまでにどれだけ頑張ったのだろうかと尊敬しかない。
おこがましいことを言うと佐久間くんとは似ている部分がいくつかあって、自分はそれをマイナスに捉えて卑屈になったりもしていたのに、佐久間くんはどこまでもそれをプラスに受け入れて自身の輝きへと昇華させていて、だからこそ彼を好きだという気持ちにはどこか憧れや感謝も混ざっているのかもしれない。
佐久間くんを、Snow Manを好きになって2年弱。
色々あったけど毎日が楽しくて、日に日に好きな気持ちが増している気がする。
これから先どうなっていくのか何も分からないけれど、きっといつまでも聞き飽きたりしないからずっとそばにいさせてほしい。
いつも幸せをくれてありがとう、Snow Man。